野本理事長インタビュー

野本理事長インタビュー

医療法人清健会ニコニコ歯科、これまでの歩みと今後の展望

医療法人清健会ニコニコ歯科は今年で10周年を迎えます。光明池で開業したのを皮切りに和泉中央、中百舌鳥、栂・美木多へと医院を拡大していきました。今回は10周年を記念して、これまでの歩みと今後の展開・将来展望について野本先生に伺いました。

これまでの歩みについて

ー 野本先生ご自身が歯科医師になられた頃は、どのような想いだったのでしょうか?

歯科医師になったばかりのころは、大学で習った「理想の医療」と「患者さんの求める医療」の違いにとにかく悩みました。
症状でも、患者さんの要望一つで治療が簡単にも難しくもなる。
最初の頃は患者さんから毎日のように厳しい言葉を頂いていました。
ただ、私たちのような職業は何も言わずに他の医院に移ってしまう患者さんが多い中で、直接疑問や要望をぶつけてもらえる経験は本当に貴重だったと思います。

ー 他の医院さんで分院長をなさっていたこともあるんですよね?

はい。言葉は悪いですが、潰れかけの医院に5年ほど。
本当は一ヶ月ぐらい旅行してから勤務しようと思っていたんですが、その頃には潰れているんじゃないかと思って慌てて翌週から(笑)

分院長に就任してすぐは、スタッフがタイムセールになると勝手にスーパーに行ってしまうような有り様でした。
ただ、そんな中でもスタッフには「患者さんにとって大切なことは何か」ということだけは譲らずに根気よく伝え続けました。
理事長も当初は閉院しようと考えていたようですが、スタッフの協力もあり、チェアの数を増やし、何とか軌道に乗せることが出来ました。
この時、チームでの仕事の進め方を学べたと思います。
何より、自分の目標を達成するのに人の力を借りることの難しさを初めて知ることができました。
ただこの頃は、感情的になってしまうことも多かったですね。この点に関しては今でも反省の毎日なんですけどね。

ー その後、独立をされるんですよね?

はい。分院長を経験したことで、「自分の裁量をもっと広げていきたい」と思ったのが一番の理由ですね。

ー分院長時代と独立なさってから何か変化はありますか?

分院長の頃から「経営」というテーマには、経営者として真剣に取組んでいましたので、大きな変化はありませんでした。
ただやはり、悩み事や心配事は分院長の頃とは比較にならないほど増えましたね。
あ、独立するとき、借金をするにあたっては妻から「生命保険だけは入ってね」と言われました。(笑)

ー 生命保険ですか。流石、堅実的ですね。(笑)
さて、開業から今年で 10年とのことですが、今後はどのような医療を目指されるのでしょう?

歯科医療では、特に「予防」に力を入れていきたいですね。
物を作って売るという「工業社会」は中国や東南アジアへと移り行き、いかにして世間に溢れている情報を上手く活用していくかという「情報社会」に変わってきています。歯科医療も、技術で治す時代から、価値ある情報を発信して悪くならないように予防することが、これからの時代は求められると思います。つまり、「ただ治せばいい」という時代ではないということですね。
実際、歯が痛くなってからいらっしゃる方だけではなく、痛くないけど検診にくる患者さんが増えていると肌で感じています。

ー そうすると、医師・スタッフ全員が、社会環境の変化に応じたステップアップが必要になりますね。

そうですね。一部の医師・スタッフだけではなく、全員が予防の大切さを順を追って説明できる。加えて人の心を動かして、感動してもらえるプレゼンテーションができるようになって欲しいですね。

法人の将来・求められる人材像について

ー プレゼンテーション力ですか。基礎からさらにレベルアップした能力ですね。やはり法人の将来を考える上で「求める人材像」というのはあるんですか?

もちろんありますよ。法人が成長していくためには、私も含め、全員が社会の変化に対応していかなくてはいけませんからね。その中でも全員に共通していえることは、「クリエイティブに仕事をしてほしい」ということです。
色んなものがどんどん便利になっていく中で、単純作業は機械やロボットがする時代が来るかもしれません。
そうなった時、やはり人間にしかできない、アイデアで勝負できるようになっていて欲しいと思います。
例えば、言われたことだけでなく、その人なりの工夫があったり、たとえ単純作業であっても、「なぜするのか」を考えたら「どうすることが一番いいのか」を常に意識しながら仕事に取組む必要が出てくると思います。

ー なるほど。もう少し詳しく、例えば職種別ではいかがでしょう?

歯科助手さんの仕事でいうと、狭く見れば準備や片付けから始まりますが、受付での患者さんとのコミュニケーション、接客等、仕事は本当に幅広いものです。
だからこそ、活躍の場が広いと思いますし、一番クリエイティブな仕事のウェイトが高いと思います。
どんどんITが進歩していくので、それを積極的に取り入れてほしいですし、一般企業が取り入れているのに歯科医院には取り入れていないことなど、新しいことも積極的に学んで挑戦していって欲しいと思います。

ー 歯科衛生士さんはどうでしょう?

衛生士さんの場合、まずは本来の仕事である予防をしっかりおこなっていくことでしょうか。
ただ、先ほども言いましたが、今後予防の需要は高まると考えています。
その際、プレゼンテーションと情報発信ができる衛生士になってほしいと思いますね。

ー 最後に医師に関してはどうでしょう?

医師に関しては、まずは技術を磨く、基本を身につけることが何よりも大切だと思います。
その上で、常に情報を最新の状態にアップデートしておいてほしいと思います。
時間の流れは本当に早いので、常に意識していないと今の知識もすぐに時代遅れになってしまいます。
そうならないように勉強の場をつくっていきたいと思いますし、医師の皆さんにも向上心を忘れないでいてほしいですね。

でも、やはり全職種に共通して「地域で一番必要とされる歯科医療グループになる」という志を同じくする、意欲の強い人や、No.1になりたい人、No.1にこだわりをもつ人、そして将来、指導者として活躍したい人を求めたい。
もちろん求めるだけでなく、働きやすさや魅力など、こちらも求められる立場になりたいと思いますし、ならなくてはいけないと強く思います。
私はこの清健会という法人をまだまだ広げていきたいと思っています。
ただ、個々がバラバラでは、メリットがないので、一定の集中配置をして地域に根ざした形にしていきたいと思います。
少しでも多くの方から愛され、必要とされる法人にするために、スタッフの全員の力が必要です。私自身が挑戦心を忘れずに、スタッフ全員で挑戦し、成長していきたいと思っています。

ー 野本先生の法人の将来に掛ける熱い想いが伝わってきました。ありがとうございました。
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